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せごどん・・・・・「感想」は書けるか・・・・? [林真理子]

読んだ小説であっても、面白くなかったものについては、

感想すら書かないことが多いのですが。

この「せごどん」はあんまりだと思ったので、感想を。


どこが「あんまり」なのか?

まず西郷が少しも魅力的でない。

「息子」が語る、というそもそもの設定に無理がある。

幕末を彩る登場人物たちが、あまりに型通りでつまらない。

それなのに、月照との「衆道」

愛加奈との情交が妙に強調されているようで気持ちが悪い。

つまり「西郷」を描く上で必要だからではなく、

そこを書きたいから書いたという印象。

全3巻ですが、読んだ時間が無駄でした。



この西郷は、ずっと「受身」

斉彬に見出され、教えを受け、引き立てられ、藩主が変わったら

島流しになる。

その間、月照に誘われたり、島では愛加奈を妻にして家族を持ち、

薩摩に戻れば、勝海舟に触発されて倒幕を唱える。

受身であり、若いころから最後まで、

なんというのか、変わらないのですよ。


情が深い、というのではなく、

感情のまま、なのか、

よくわからない。

例えば、「翔ぶが如く」では

望洋とした西郷を、まわりの川路や桐野、

大久保を緻密に描くことで彼らに西郷を語らせ、

複数の目線から捉えようとしているように見えるのですが、

この作品にはそんな目線すらない。


だいたい二十数年後に京都市長になった息子の菊次郎が

父を語る、というのが書き出しなのに、

どういう目線で西郷の子供の頃や、月照や愛加奈を語れるのか

わかりません。

菊次郎は」「西南戦争」に父と共に参加したというのに、

そこの描写すら、心に迫ってこない。

つまりは、

作者はただちょっと興味があっただけで(月照や愛加奈に)

西郷その人への関心はあまりなく、通り一遍の作品を書いただけ、

としか思えません。




・・・・これが「大河ドラマ」となって、どんな「西郷」像ができるのか?


ただ、これだけ原作が薄っぺらだと、

脚本は自由自在ではないか、と思うので、

却ってドラマに期待できるのかな?

という気になっています。



さあ、どうでしょうねえ。




西郷どん! 並製版 上

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  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本



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