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武士道シックスティーン [誉田哲也]

「武士道シリーズ」の一作目ですね。

シリーズの中でこれが一番好きです。


このシリーズは道場の後継の問題、さらには、まさかの「磯山香織」の結婚?まで語ります。


が、最も輝いているのは香織と早苗の出会いと戦いが描かれているこの作でしょう、


「磯山香織」は宮本武蔵に心酔し「五輪書」を愛読書にしている「武道家」です。

『敵は切る』と思っている。

なんと般若の道具入れ?を持ち歩き、常に剣の道を考え、常に勝つことを考えている。


この一筋さに、ちょっと眩暈がするくらいの魅力とおかしみがあります。


対する早苗は、日本舞踊をやっていた、という変わり種。


そのために足さばきがちょっと変わっていて、とまどう香織。



で。


勝つか負けるか、勝者と敗者。

それしかなかった香織の剣道が迷い、停滞します。



武蔵から離れて、「武士道」へと目覚めてゆく香織。



早苗にとっては剣道はそこまでのめりこむものでもなく、

でも、たのしいもの。

香織というある意味現代では死滅しているような人種との出会いで、

いろいろ思うことはあり、それでも、剣道がすべてではない。



この二人のそれぞれの視点で描かれているからこそ、

互いの違いが判り、魅力もわかるわけですが、

香織が「武士道」に目覚めるところが、このシリーズのスタートになります。



誉田哲也とは何者か?


このような青春ものもあれば、同じ高校生の日々を描いた「月光」もありますね。


香織のような「吹っ飛んだ」存在と、そこまで突き抜けていない女の子たち。

そこに、その後の人生も含めた大きな壁があるのか?


たとえばジウシリーズの、

伊崎基子と門倉美咲

ここにもつながっているようで。



香織と早苗の今後に興味がある方はこのシリーズを読んでみてください。














武士道シックスティーン (文春文庫)

武士道シックスティーン (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: 文庫



武士道セブンティーン (文春文庫)

武士道セブンティーン (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/02/10
  • メディア: 文庫



武士道エイティーン (文春文庫)

武士道エイティーン (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 文庫



武士道ジェネレーション (文春文庫)

武士道ジェネレーション (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: 単行本



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インデックス(短篇集) [誉田哲也]

姫川玲子が登場する短編集です。

時期的には、ブルーマーダー後、となりますね。

本庁捜査一課に戻り、再び「姫川」班ができますが、

当然ながらメンバーは違うわけで。


のちに殉職する林さんがいて。


こうして姫川の短編を読んでいると、

誉田哲也という人は、

女性に優しい、というのか、


女性の強さを愛しいと思う人なんだなあ、と思いますね。



実際、誉田作品に登場する女性は、


みんな強くて、負けませんから。


男性には、その点、視点が厳しくて

だいたいゲスで(勝俣のように)

もしくは体力はあっても、単純で、

聡明さに欠ける登場人物が多い。



女性はちょっと理想化されてるかな、とも

思いますが、

まあ、それが作者の愛なのでしょう。


グロを書いても、

どこか、崩れない一線がある、

と感じられるのは、

この「愛」があるからなのでしょうね。


そろそろ、

「硝子の太陽 R」後の姫川玲子に

会いたくなってきました。






インデックス (光文社文庫)

インデックス (光文社文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/08/08
  • メディア: 文庫



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ブルーマーダー [誉田哲也]

かなり以前に読んだ作品ですが再読したくなりました。

姫川玲子シリーズとしては「ストロベリーナイト」の次に

くる作品になります。


「姫川」班がバラバラになり、玲子は所轄勤務。

菊田は別の所轄勤務になって、しかも結婚。

二度と部下を死なせない、と玲子は菊田を救うために

第二の「ブルーマーダー」の前に立つのですが・・・・。


以前にこれを読んだときにも思ったのですが、

この「ブルーマーダー」の圧倒的な暴力シーン。

ここまでの描写は必要なのか。

いつも思います。

思いながら、こういうシーンを読む時の一種の興奮

というのは間違いなくあって、

息を飲みながらも読んでしまうのは何故だろう?

とあとから思うのです。

作品全体のバランスを考えれば、分量としては刑事たち

の登場シーンは多くはありません。

でもそこに姫川玲子がいるから、彼女の近況を知るのが

嬉しくて読む、そこは確かなこと。

心情的には玲子は殺人者に近いように描かれていますが、

また実際、そういうところが、

犯人との同調を呼ぶのでしょうが、

なかなかひとつの作品としては

まるごと受け入れがたい気がするのです。


むしろ「ドルチェ」のほうが、完成度が高いのではないか。



ただどちらも、

それぞれに魅力的なのです。

誉田哲也の凄さは、

そこにあるのでしょうが、

私にとっては「謎」の人です。



ブルーマーダー

ブルーマーダー

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/11/17
  • メディア: 単行本



タグ:姫川玲子
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ドルチェ [誉田哲也]

誉田哲也の描く女性は、

武士道もの、刑事もの、ガールミーツガール、その他の

作品にしても、

共通して言えるのは、妥協しない強さを持っていることでは

ないでしょうか?

その強さは、

単純に「負けたくない」という極めて分かりやすい性格が

根底にありますが、

何に負けたくないのか、は個人差があるようです。


そのそれぞれの拘りが、彼女たちの個性だったりします。


「ドルチェ」の主役は刑事、巡査部長の魚住久恵。


捜査一課に二年だけ所属。

現在は所轄署の強行犯刑事です。

42歳という年齢もあって、落ち着いた視線を感じますね。

この視線が殺人までには至らない事件を

しっかり見据え、

一見わかりにくい真相に迫っていきます。



たとえば、同じ刑事でも、

姫川玲子のヒリヒリした切迫感はなくて、

やや地味に感じられます。


ところが、許せない相手にたいする手厳しさは


予想以上で、


魚住久恵、あなどってはいかん!


と思わされます。


じわじわと効いてくる小説です。


誉田哲也がこんな小説を書くのか、と、ちょっと嬉しくなります。



ドルチェ (新潮文庫)

ドルチェ (新潮文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/05/28
  • メディア: 文庫



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ケモノの城・・・「現実」がおいついてきた? [誉田哲也]

文庫本になって、書店に並んでいますね。

これを読んだのは、

発売後まもなくだったでしょうか。


誉田作品の中でも論じにくい、というか、

これを読む自分は何なのか、とまで考えて

しまいます。

「ジウ」シリーズも、かなりの「グロ」い描写がありますが、

それどころではありません。


一種の「密室」で

心理的においつめられてゆく恐ろしさ。


判断停止状態から

どんどんエスカレートする暴力。


うわっ、これはもう無理、と思いながらも


読み進む自分。


この、

ページを閉じずに読んでいる自分の

怖いもの見たさ、というのか、

ドキドキしてしまうこの感覚は何なのか。


人はどこまでイってしまうのだろう、


という闇の深さ。



誉田哲也という作家の


一番「クロ」い作品ではないでしょうか。


それだけに、


文庫本になるとは思っていませんでした。


世の中がこういうものを

普通に受け入れる時代なのだろうか?


まあ、実際の事件で、

このような事例が出てくる世の中ですから、


流れとしては「あり」なのでしょうね。


それでも、

やはり、

「禁断の書」だな、という思いは残ります。



さあ、他の作品を読んでバランスを取らなくちゃ、

と思えるのは、

これを読んでしまってから、

数日後です。

そのくらい衝撃が大きい作品。


心して読んでください。





ケモノの城 (双葉文庫)

ケモノの城 (双葉文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/05/11
  • メディア: 文庫



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歌舞伎町ダムド [誉田哲也]

文庫本が発売されていますね。

この「歌舞伎町ダムド」は私にとっては初「誉田哲也」でした。

しかもブラック誉田。

ショックでしたね。


こんなふうに描く作家がいるんだ!


というショック。


この凄まじい描写にほとんど眩暈しながら


それでも途中でやめられず、

読み切ったのでした。


あ~、なんかすごいモノ読んだ、


と思いました。


その後「ジウ」を読み、

「歌舞伎町セブン」を読み、


この流れで、「ノワール」につながるのですが、


もちろん「ホワイト・誉田」もその間読んでいたので。


改めて読み返してみると、

グロい描写はあるけれども、


なんというのか、

ストーリーは健全な、

健全な、という言い方がいいのかどうか、

他の言葉がみつからないのですが、

まあ、健全な物語かなあ、と思いました。


素子、またはミサキのシンプルに強さを求める

一途さと、それを利用しようとす「新世界秩序」

セブンの仲間たちと、東弘樹。


登場するキャラがはっきりしてきて、

「ノワール」以後も楽しみです。


・・・・しかし、

ずっと持て余している「超能力士事務所」


なかなか読み切れません。


というか途中でくじける。

それも最初の数ページで。


これなんとかしてください!


こちら文庫です。



歌舞伎町ダムド (中公文庫)

歌舞伎町ダムド (中公文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/02/21
  • メディア: 文庫



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「ジウ」シリーズ [誉田哲也]

かなり以前に読んでいたのですが・・・・。

今回まとめて読み返してみて、

何を読んでいたのだろう?と

我ながら不思議でした。



「黒」誉田、のイメージがその時は強かったからでしょうか。


全然楽しめていませんでしたね。



伊崎基子と門倉美咲のものがたり。


と考えれば、

武士道シリーズ的な、

二人の女性の物語。


対照的な二人ですが、

どちらも好きですね。

基子の単純でまっすぐなところが好きかなあ。


で、強い!


ここ、やはり大事なところ。


美咲のいかにも女性的なところも好きですが、

その彼女が大女で、基子が小柄(まあ普通)なところも、

妙におかしい。


基子の、ある意味純真な


ある意味おバカな


単純で一途なところが魅力ですね。


今回は本当に楽しみながら読めました。


いやあ、再読してよかったです。



このあとの「歌舞伎町セブン」も、

もう一度読んでみましょう。





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硝子の太陽R(ルージュ)・N(ノワール) [誉田哲也]

姫川玲子復活が嬉しくてRから読みました。

事件そのものが非常にグロテスクで、ああ誉田さんだ、と

思いつつ。

新しい姫川班はまだこれからか、という感じでしたが、

菊田が、なんというか、立ち直って、というのか、ちゃんと姫川

を見ていてくれてひと安心。

ガンテツは相変わらずですが、このガンテツが「ジウ」シリーズ

との接点になるのですから、このさり気無さがいいと思いました。


姫川がもしも、歌舞伎町セブンを知ったらどう思うのだろう?

などと考えてしまいましたが、ここは接点なしで正解だったな、と

思いました。


N(ノワール)はこれまでと比べて、仲間の死への報復という面

があるからか、やや甘い感じがします。

感傷的、とまでは言いませんが、やはり「甘い」という感じ。

東警部補がマスターをセブンの一人と感づいているあたりも含めて

奇妙な緊張感のような安心感のような・・・・・。

東警部補が一歩踏み込んでしまったな、というところでしょうか。


・・・しかし、完全な、巻き添えで林さんが亡くなるというのは

驚きでした。

姫川にとっては、数少ない理解者だったのに。


コラボ企画ということですが、どうも売れ行きはRがかなりの

リードらしく、これは「姫川人気」なのでしょうね。

自分も姫川班の「次」が楽しみです。




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レイジ [誉田哲也]

これは誉田さんの作品の中で、一番好きなものです。

何度読んでもいいなあと思う。

学生時代の一過性の話ではなく、社会人になっても年齢を重ねても

なお、身体の奥深くに残っている止むにやまれぬ 情熱。

その不思議さと素晴らしさが、ちょっとお馬鹿?な面々と共に語られている

感じがとても好きなのです。

こういうものを書きながら、一方でグロテスクな作品があって。
 

誉田哲也という人は、、書きたいことが溢れてくるのかしら?

気持ち悪いくらいな表現も、怖いながらも読んでしまうのが我ながら不思議。

「武士道シリーズ」も好きですが、男性が主人公のものとして、いや本当は

従姉のあっちゃんが魅力的ですが、「世界でいちばん長い写真」も大好きです。





レイジ (文春文庫)

レイジ (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/03/07
  • メディア: 文庫



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「月光」 誉田哲也 [誉田哲也]

「月光」は高校生のストーリーですが、たとえば「武士道~」

のようには明るくありません。

姉が死んだ、

その訳を知りたい妹。

姉と同じ高校に進み、やがて姉の死の真相が明らかになる、

のですが・・・。

それがはっきりと分かるのは、

他の「死」があってからのこと。

高校生の屈折した、それでも「真実」の思い、

それとは裏腹の、どす黒い暴力と脅迫。

高校の先生との関係と、姉妹の愛。

ラストに「月光」を弾く妹。


誉田作品の「黒」と「白」が微妙に絡んだ作品です。


妹、というより、亡くなった姉の姿が、心に残ります。



月光 (中公文庫)

月光 (中公文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/04/23
  • メディア: 文庫



月光 (中公文庫)

月光 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/04/25
  • メディア: Kindle版



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