男たちのワイングラス [今野敏]
今野敏の作品はたくさんあって、シリーズも多いですね。
好きなのは、「隠蔽捜査」「安積班」なのですが。
ほかにも、「ST」とか「強行犯係」とか、宇宙ものとか、やくざものとか・・・・。
もうたいへんな量です。
これを全部読破している人はいるのでしょうか?
あまりにカテゴリーが違いすぎて 困ります。
格闘モノ、というのか、
奥義というのか、
そういうことを描くのも大好きのようで。
この短篇集「男たちのワイングラス」は茶道の師範で、実はさらに格闘技の家元?
でもある主人公と、友人の神父、バーのマスターの元ヤクザ、
主人公の幼馴染の美女が登場。
まあ大体展開は予想できるのですが。
外国に行っていた主人公の父親が、
なんとシシリア島のマフィアのボスの婿になっていて、
もう世界の裏社会を握っている感が凄いです!
こういう「水戸黄門」的な、
もしくは「遠山の金さん」的な
シチュエーションが結構好きですよね、今野さん。
まあ、そういう気分のときは、
そういうものも楽しいですから。
自分の読みたいものをチョイスすればいいわけです。
この「男たちのワイングラス」は幼なじみを救い出して
めでたしめでたし、となるので。
終わり方も気持ちよく、
気軽に楽しく読めました。
しかし、今野敏、
多作ですね。
「道標」 東京湾臨海署安積班 [今野敏]
こちらも待望の「安積班」
短編集です。
が、安積の警察学校時代や交番勤務時代、新米刑事時代、
湾岸署に赴任したばかりのころ、というように歴史を振り返っています。
その中でも、特に速水との関係、現在にもつながっている班のメンバーたちとの
関係が改めて描かれていて、このシリーズの魅力を確認できます。
同時期に出された2冊の新刊。
二人の警察官の、
方や「公務員として国民に尽くす」
方や「いい刑事になる」
そういう自分を信じて、かつ周りもそうだと疑わず、
ある意味、理解されにくい生き方をしてきたこれまでの軌跡。
そうして、そんな中で彼らにしてみれば「思いがけず」周りに愛されてきた、
生き方。
読者としても、愛さずにはいられない警察官たちです。
こういう作品を出してくれるから
今野敏という作家から離れられないのですよ。
あれ?
新刊でもなかった??
いつもの書店で、新刊書コーナーで見つけたのですが、
昨年11月の発刊になってますね。
すみません。
短編集です。
が、安積の警察学校時代や交番勤務時代、新米刑事時代、
湾岸署に赴任したばかりのころ、というように歴史を振り返っています。
その中でも、特に速水との関係、現在にもつながっている班のメンバーたちとの
関係が改めて描かれていて、このシリーズの魅力を確認できます。
同時期に出された2冊の新刊。
二人の警察官の、
方や「公務員として国民に尽くす」
方や「いい刑事になる」
そういう自分を信じて、かつ周りもそうだと疑わず、
ある意味、理解されにくい生き方をしてきたこれまでの軌跡。
そうして、そんな中で彼らにしてみれば「思いがけず」周りに愛されてきた、
生き方。
読者としても、愛さずにはいられない警察官たちです。
こういう作品を出してくれるから
今野敏という作家から離れられないのですよ。
あれ?
新刊でもなかった??
いつもの書店で、新刊書コーナーで見つけたのですが、
昨年11月の発刊になってますね。
すみません。
隠蔽捜査 7 『棲月』 [今野敏]
ひさしぶりの竜崎著長です。
大好きなこのシリーズですが、ラストで大森署を去ってゆきます。
「キャリア」警察官が「降格」によって所轄署の署長になる。
それによって、しばしば現場に臨場する「キャリア」
迎える署員たちのとまどい。
それが「竜崎」という人を知るようになってから変わっていきます。
そうして竜崎自身も
妻冴子に、「人間らしくなった」といわれるほどに、
意識してはいなかった部分で大きく変化していたのです。
その変化は、
異動が明らかになった時の竜崎の”『動揺』を感じた”という
表現で明らかになります。
所長室で仮眠をとるときの安堵感。
そういう自分に気づいてとまどう竜崎。
今回は天才ハッカー「ルナリアン」が登場しますが、
彼はある意味「別世界」に棲んでいます。
そしてまた竜崎も、そう言う意味では
別世界の住人なのかもしれません。
このタイトル「棲月」は、まさに「月に棲む」
そんな竜崎のこんな言葉。
「公務員は与えられた場で自分の能力を最大限に発揮するように
努力するだけ」
異動によって出世するキャリアである竜崎を羨む相手に、
「偉いのではありません。やれることの権限が増えるだけです。
我々は国民のために働いている。
偉いのは国民です」
そう信じている竜崎なのです。
署を去る日
署員の「総意」によって、
制服姿の全員から敬礼で送られる竜崎。
『気持ちは受け取った。ありがとう』
こんな言葉を竜崎が口にするのです。
いいラストでした。
大好きなこのシリーズですが、ラストで大森署を去ってゆきます。
「キャリア」警察官が「降格」によって所轄署の署長になる。
それによって、しばしば現場に臨場する「キャリア」
迎える署員たちのとまどい。
それが「竜崎」という人を知るようになってから変わっていきます。
そうして竜崎自身も
妻冴子に、「人間らしくなった」といわれるほどに、
意識してはいなかった部分で大きく変化していたのです。
その変化は、
異動が明らかになった時の竜崎の”『動揺』を感じた”という
表現で明らかになります。
所長室で仮眠をとるときの安堵感。
そういう自分に気づいてとまどう竜崎。
今回は天才ハッカー「ルナリアン」が登場しますが、
彼はある意味「別世界」に棲んでいます。
そしてまた竜崎も、そう言う意味では
別世界の住人なのかもしれません。
このタイトル「棲月」は、まさに「月に棲む」
そんな竜崎のこんな言葉。
「公務員は与えられた場で自分の能力を最大限に発揮するように
努力するだけ」
異動によって出世するキャリアである竜崎を羨む相手に、
「偉いのではありません。やれることの権限が増えるだけです。
我々は国民のために働いている。
偉いのは国民です」
そう信じている竜崎なのです。
署を去る日
署員の「総意」によって、
制服姿の全員から敬礼で送られる竜崎。
『気持ちは受け取った。ありがとう』
こんな言葉を竜崎が口にするのです。
いいラストでした。
隠蔽捜査6「去就」 [今野敏]
「隠蔽捜査」シリーズの6巻です。
久しぶりに竜崎署長に会えました。
今野作品では、このシリーズと安積班シリーズが大好きです。
常に合理的に思考し、信頼する部下に任せるところは、任せる。
「合理的」といいつつ、
しっかり部下を見ていて、気遣いもする。
家族にも、言葉はぶっきらぼうですが、
細やかなケアができる。
なかなかいない素敵な人です。
ただ、こうしたシリーズものになると、
大森署のメンバーも大体分かり、
刑事部長も管理官も、すっかり分かっていて、
もちろんこの作品ならではの
人たちが登場するのですが、
かなり類型化してきます。
ノンキャリアの叩き上げの人からは
どうしても理解されにくい竜崎署長。
階級と現在の地位との矛盾が
ストーリーの根幹にあるわけで、
「最後に勝つ」爽快感はあります。
また、現場の責任者からは信頼される上司であり、
上層部からは異端視されやすいキャラクター。
面白いのですが、
毎度よく似た展開になってゆく。
満足感はあるものの、
そろそろ舞台が変わってもいいのでは?と思います。
ラストで、それとなく、
「移動」の話が出ているので、
次作あたりでは
部署が変わるのかな?と期待もしています。
久しぶりに竜崎署長に会えました。
今野作品では、このシリーズと安積班シリーズが大好きです。
常に合理的に思考し、信頼する部下に任せるところは、任せる。
「合理的」といいつつ、
しっかり部下を見ていて、気遣いもする。
家族にも、言葉はぶっきらぼうですが、
細やかなケアができる。
なかなかいない素敵な人です。
ただ、こうしたシリーズものになると、
大森署のメンバーも大体分かり、
刑事部長も管理官も、すっかり分かっていて、
もちろんこの作品ならではの
人たちが登場するのですが、
かなり類型化してきます。
ノンキャリアの叩き上げの人からは
どうしても理解されにくい竜崎署長。
階級と現在の地位との矛盾が
ストーリーの根幹にあるわけで、
「最後に勝つ」爽快感はあります。
また、現場の責任者からは信頼される上司であり、
上層部からは異端視されやすいキャラクター。
面白いのですが、
毎度よく似た展開になってゆく。
満足感はあるものの、
そろそろ舞台が変わってもいいのでは?と思います。
ラストで、それとなく、
「移動」の話が出ているので、
次作あたりでは
部署が変わるのかな?と期待もしています。
真贋 [今野敏]
今野さんの作品としては地味な部類になりますね。
捜査3課という窃盗犯相手の刑事の話。
プロの窃盗犯が相手なので、
刑事もその道のプロでないとあかん、という
萩尾警部補。
女性の秋穂とのコンビが落ち着いてきて、
「人情話」のような趣が出てきました。
「ダケ松」とのやりとりが、
いかにもそんな感じ。
舎人という学芸員の資格を持つ刑事の登場で、
今後、秋穂との絡みが期待できます。
また「ダケ松」の弟子?「音川」も再登場がありそう。
このシリーズは事件よりも、
萩尾刑事のキャラに味わいがあって、サクサクと読めるところが
魅力です。
安積班や、「隠蔽捜査」
STやSFもの、幅広く多作な作者ですが、
好きなシリーズだけ読んで楽しんでいます。
まず期待を裏切られることがないですね。
全巻読破、というよりも、
好きなものだけチョイスして楽しむというスタンスが
いいのではないでしょうか。
希望としては
安積班モノの新作を読みたいです。
捜査3課という窃盗犯相手の刑事の話。
プロの窃盗犯が相手なので、
刑事もその道のプロでないとあかん、という
萩尾警部補。
女性の秋穂とのコンビが落ち着いてきて、
「人情話」のような趣が出てきました。
「ダケ松」とのやりとりが、
いかにもそんな感じ。
舎人という学芸員の資格を持つ刑事の登場で、
今後、秋穂との絡みが期待できます。
また「ダケ松」の弟子?「音川」も再登場がありそう。
このシリーズは事件よりも、
萩尾刑事のキャラに味わいがあって、サクサクと読めるところが
魅力です。
安積班や、「隠蔽捜査」
STやSFもの、幅広く多作な作者ですが、
好きなシリーズだけ読んで楽しんでいます。
まず期待を裏切られることがないですね。
全巻読破、というよりも、
好きなものだけチョイスして楽しむというスタンスが
いいのではないでしょうか。
希望としては
安積班モノの新作を読みたいです。
マル暴総監・・・あまりにも適当 [今野敏]
今野敏さんの作品は、
隠蔽捜査シリーズと、安積班シリーズが好きなのです。
まあそう言う人が多いと思います。
STはちょっと苦手、任侠シリーズは好き。
そんな感じ。
で、この「マル暴総監」ですが、つまらない、とは言いませんが、
さほど面白くもない。
作品によって力の入れ具合が違う,,のかどうか、
そこはわかりませんが、かなり内容の濃さに差があるなあ、
といつも思っています。
そのようにしてシリーズを分けているのでしょうから、
読者も、この作家のものだから、というよりも、
このシリーズだから、という選択をしているのでしょう。
今のところ、他のシリーズを読む気がないので、
隠蔽ものか安積班ものを待ちたい気分ですね。
隠蔽捜査シリーズと、安積班シリーズが好きなのです。
まあそう言う人が多いと思います。
STはちょっと苦手、任侠シリーズは好き。
そんな感じ。
で、この「マル暴総監」ですが、つまらない、とは言いませんが、
さほど面白くもない。
作品によって力の入れ具合が違う,,のかどうか、
そこはわかりませんが、かなり内容の濃さに差があるなあ、
といつも思っています。
そのようにしてシリーズを分けているのでしょうから、
読者も、この作家のものだから、というよりも、
このシリーズだから、という選択をしているのでしょう。
今のところ、他のシリーズを読む気がないので、
隠蔽ものか安積班ものを待ちたい気分ですね。
「陽炎」~東京湾臨海署安積班 [今野敏]
今野敏作品の中で何が「王道」なのかわかりませんが、
この「安積班」は大好きなシリーズです。
班長のもと、村雨、須田、黒田、桜井という個性的な
メンバーがいて。
さらに、魅力的な速水がいて。
どの作品もがっかりすることがありません。
今、一番手にとって間違いない一冊といえます。
この一冊の中ではラストの「陽炎」
暑い暑い夏。
受験生の男子がひょんなことから警察に追われることに
なってしまい、「人質」として近くにいた女子をつれて
屋上にこもります。
しかし、誰もそもそもなぜ彼が逃げて、なぜ彼を追っている
のかわからないでいる。
暑さで誰もが判断力を失っている、と考える班長は、最初から
調べ直します。
なんのことはない、さまざまな誤解の積み重ねが判明し、
班長自らが彼の「説得」にあたります。
彼は彼で、勝手に絶望し、死のう、とまで思っている。
・・・・誤解があきらかになり、「人質」のはずの少女が
「これはナンパ」と言い出して、落着。
安積班長の面目躍如の短編です。
少年と少女のラストも嬉しい作品で、いいものを読んだ、と
思わせてくれます。
「安積班」は一度は読んでみてほしいですね。
この「安積班」は大好きなシリーズです。
班長のもと、村雨、須田、黒田、桜井という個性的な
メンバーがいて。
さらに、魅力的な速水がいて。
どの作品もがっかりすることがありません。
今、一番手にとって間違いない一冊といえます。
この一冊の中ではラストの「陽炎」
暑い暑い夏。
受験生の男子がひょんなことから警察に追われることに
なってしまい、「人質」として近くにいた女子をつれて
屋上にこもります。
しかし、誰もそもそもなぜ彼が逃げて、なぜ彼を追っている
のかわからないでいる。
暑さで誰もが判断力を失っている、と考える班長は、最初から
調べ直します。
なんのことはない、さまざまな誤解の積み重ねが判明し、
班長自らが彼の「説得」にあたります。
彼は彼で、勝手に絶望し、死のう、とまで思っている。
・・・・誤解があきらかになり、「人質」のはずの少女が
「これはナンパ」と言い出して、落着。
安積班長の面目躍如の短編です。
少年と少女のラストも嬉しい作品で、いいものを読んだ、と
思わせてくれます。
「安積班」は一度は読んでみてほしいですね。
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「任侠病院」~任侠シリーズ~ 今野敏 [今野敏]
今野敏といえば「隠蔽捜査」でしょうか。
しかし、この「任侠シリーズ」が気楽に読めて面白いです!
「任侠出版」(とせい)
「任侠学校」
「任侠病院」
と、すべて阿岐本組というやくざが出版社、学校、病院を立て直してゆく、
というお話。
代貸の「日村」さんが妙に心配症で、組長と舎弟の間で「中間管理職」よろしく
苦労しながら、やるときは「やる」、さすがに本物のやくざ、と思う凄みが
あって痛快です。
スラスラと楽しんで読めますので、おすすめです。
で、特に注目してほしいのが、お値段です。
Kindle版が安いです!
アマゾンKindle版は734円、しかも20%のポイントがつきます。
単行本なら1728円,文庫本なら799円ですから、かなりお得。
Kindle電子リーダーがなくても、今はKindle無料アプリがあるので、
ダウンロードすればKidle版が読めますから。
しかし、この「任侠シリーズ」が気楽に読めて面白いです!
「任侠出版」(とせい)
「任侠学校」
「任侠病院」
と、すべて阿岐本組というやくざが出版社、学校、病院を立て直してゆく、
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苦労しながら、やるときは「やる」、さすがに本物のやくざ、と思う凄みが
あって痛快です。
スラスラと楽しんで読めますので、おすすめです。
で、特に注目してほしいのが、お値段です。
Kindle版が安いです!
アマゾンKindle版は734円、しかも20%のポイントがつきます。
単行本なら1728円,文庫本なら799円ですから、かなりお得。
Kindle電子リーダーがなくても、今はKindle無料アプリがあるので、
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タグ:任侠病院