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隠蔽捜査 7 『棲月』 [今野敏]

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ひさしぶりの竜崎著長です。

大好きなこのシリーズですが、ラストで大森署を去ってゆきます。

「キャリア」警察官が「降格」によって所轄署の署長になる。

それによって、しばしば現場に臨場する「キャリア」

迎える署員たちのとまどい。

それが「竜崎」という人を知るようになってから変わっていきます。

そうして竜崎自身も

妻冴子に、「人間らしくなった」といわれるほどに、

意識してはいなかった部分で大きく変化していたのです。

その変化は、

異動が明らかになった時の竜崎の”『動揺』を感じた”という

表現で明らかになります。

所長室で仮眠をとるときの安堵感。

そういう自分に気づいてとまどう竜崎。


今回は天才ハッカー「ルナリアン」が登場しますが、

彼はある意味「別世界」に棲んでいます。

そしてまた竜崎も、そう言う意味では

別世界の住人なのかもしれません。

このタイトル「棲月」は、まさに「月に棲む」

そんな竜崎のこんな言葉。

「公務員は与えられた場で自分の能力を最大限に発揮するように
努力するだけ」

異動によって出世するキャリアである竜崎を羨む相手に、

「偉いのではありません。やれることの権限が増えるだけです。
我々は国民のために働いている。
偉いのは国民です」


そう信じている竜崎なのです。


署を去る日

署員の「総意」によって、
制服姿の全員から敬礼で送られる竜崎。

『気持ちは受け取った。ありがとう』

こんな言葉を竜崎が口にするのです。


いいラストでした。









棲月: 隠蔽捜査7

棲月: 隠蔽捜査7

  • 作者: 今野 敏
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本





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